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あるイラストレーターの危機

ペンタブのペンをよく床に落とす。
傾斜のついたトレース台の上にペンタブを置いて作業しているのでその上にうっかりペンを置くとよく転がって落ちる。
2日に1回は「おむすびころりん」ならぬ「ぺんころりん」をやらかす。
先程も落とした。いつものように。
ただいつもと違っていたのは拾い上げたそれのウエストのあたりに割れ目が出来ていたことだ。
割れ目といっても元々あった握り部分のゴムとその先のプラスチックの境界線の筋にそって上部が少しずれて隙間が出来ていたわけだが。

そのままカチッとはめ込めば良かったのだが、ふと魔が差してしまった。
(そう言えば常々疑問に思っていたのだが、このペンって電池交換とかいらないのだろうか?)
今まで一度も電池を交換したことがないのだ。電池交換するならばこの割れ目からしかないな。
割れ目を見たら覗いてみないことには収まらないのがヒトのサガというものである。
かくして、説明書を読めばわかる「電池交換の謎」に突き進むべく指先にぐっと力を入れて上部を引っ張り上げてみた。

ビバ!

上部が本体からするりと抜けて身二つになった瞬間、目の端に僅か一ミリもない何かがピョーン!と勢いよく
飛んで行くのを捉えたが、カチーンカチーンと床に跳ね返る僅かな音を残してそれは消えた。

[´・ω・`]{……

それともう一つ、元気に飛んでいった部品とは別の何かが分離されたペンの下に転がっていた。
……ネジだ。

どうやら(また)開けてはイケナイ、パンドラの箱を開けてしまったようだ。

視界に映るのは黒いペンタブの土台の上で私の手の中にある下半身部分のペン。
しかもそれが「電池のお部屋」と言う私の予想に反して、内臓ならぬ精密機械をむき出しにしてこちらを見ていた。

「hぃぇぇぇ~iィ」

人間っって血の気が引くよな「ヤバス!」な状態に陥ると思わず息を飲みながら悲鳴をあげるんだねぇ。
かくして暗くなった部屋の、ぽつりと灯る仕事場の蛍光灯の下に私の「ゲップの逆再生」のような悲鳴が
絞り出された訳だが。

それにしても、内臓関係、もとい内蔵関係というものはどうしてこうディープなインパクトがあるのだろう。
私のペンは言わば仕事の相棒である。その相棒が変わり果てた姿で私の目の前にある(そのような姿にしたのは私だが)。
しかもバリバリに内部をさらけ出し精密機械っぷりを披露しているのだ。
「え!人間だと思っていたのに、お前機械人間かよっ!」
みたいな衝撃が走った。
そりゃあペンタブのペンなのだから精密な機械であるが見た目が他のアナログなペンと変わらないので(ちょっと黒くて太いぐらいで)こいつが機械であるということをすっかり忘れておった。
だから何辺落としても其の辺の水性油性シャープペンシルボールペンを落としたぐらいの気持ちで
ひょいと拾い上げては「精密機械を落としまくり」の極めて危険な事態に気づかずになーんにも考えないで仕事を再開していたのだ。
なので、ペンタブペンの内臓を見て、仲のいい友達が実はターミネーターだった!ぐらいの衝撃を覚えたのである。

で、だよ、精密機械だと言うことはいい。よくわかった。
問題は、だよ、その精密機械の何かが、先ほどはやぶさの如く元気に基地を飛び立っていったという事だ。
んでそれがそのまま行方不明になっているということだ。しかも打ち上げ時に視界の隅で捉えたそれの大きさが推定1ミリほどのものだということも深刻さに拍車をかけている。
打ち上げに失敗して手元に残ってるネジ、はまだいい。そこそこ大きくて(4ミリぐらいだけど)視界の中にあるのだから。

[=皿=]{……

私の中で20と8秒、緊急対策会議が開かれたが、取り敢えず飛んでいった部品の捜索は打ち切って(捜索してないけど)手元に残る部品で相棒の再生を図るという結論に達した。ある意味無謀なプロジェクトであるが、かつて同じような状態のミシンを復活させた事がある。ただし、ミシンを運ぶたびにその時内部に落ちて取り出せずにそれっきりのネジがカラカラとあちこちを転がる音を立てるマシーンに改造されたが。
今回はミシンよりも新型で小型で精密だ。難易度は高いがやってみるしかない。
かくして私のぷっくりと可愛らしいぽっちゃりストの指先でもって修理が執り行われた。

ところがネジが言うことを聞かないのである。はめ込むべき位置(多分先端の内部)に収まらずあっちに滑りこっちに転がりで時間ばかりが過ぎてゆく。予測していたことであるが難しい手術である。
やっと狙いを定めた位置に落ち着いたのも束の間、今度はウエストの結合部分がうまく嵌らぬ。
ちっ!と内心舌打ちをしながら再度上部を引っ張りあげると
ピョーン……先ほど旅立ったミクロの部品を追いかけるように4ミリのネジは勢いよく飛び出して行った。
……ブルータス、お前もか。
私の手元に残ったのはペンの上部と下部のみである。

[-人-]{……

脳内で再度の緊急対策会議が開かれたが心の中の悪代官が現れて
「良いか、そもそも小さな部品やネジなどはなかったのだ。よいな、そのようなものは初めから存在してないのだ」
と私を言いくるめた。
はい、お代官様の言うとおりでごぜぇやす。
「お主もアホよの」
との含み笑いが聞こえなくもなかったが証拠隠滅して元に戻すにはこれしかない。
……証拠隠滅って誰に対してだよ?と自分に突っ込みつつ。
お代官様の指示のもと、それらの部品はなかった事にして引き離された上部と下部をはめ込んだ。
かくして相棒のペンタブのペンは見事に再生を果たしたのだ。見た目だけは。

とても混乱していたので取り敢えず目の前に繰り広げられる恐怖から逃れるために形だけは元に戻したが
果たしてカランカランミシンのようにうまく稼働するのであろうか?
コイツは仕事の大切な相棒である。アンタがしっかりしてくんなきゃあたしゃおまんまの食い上げだよ!
自分の愚行は棚に上げて叱咤激励しながらペンを走らすと見事に稼働した。
ただ、ペンの上部の先端はひっくり返して使えば「消しゴム」の役目を果たしていたがネジを紛失したおかげでペコペコになり、その役割まで再生することは出来なかった。
ま、まぁいいんだ。そこは元々そんなに使っていなかった部分だし。

それにしても、毎日酷使するこの相棒、本当にこれで大丈夫なのだろうか?
いつかターミネーターの本性をあらわして私のPCお絵かきライフを突然機能停止追いやるかも知れぬ。
うぬぬ、信用ならない奴に成り下がってしまったものよ。
……仲良くやってきたのに相棒として残念である。←誰のせいだよ。

ということでやっぱり新しいペンタブを買おう。
幸い木曜日に神保町に行くので役目を終えたらアキバに新しい相棒を求めに行こう。
先日ペンタブが行方不明になった時に値段は調べがついているのだ。6980円。
パンドラの箱を開けたことで痛い出費になった。トホホ。
みなさんもくれぐれも好奇心だけで突っ走り、開けてはいけない箱を開けないように。
(私が言うか)


DSC_1125.jpg

*写真は本性をさらけ出したペンの内部。
いつお絵かき作業を停止させるかわからない、もうターミネーターのチップにしか見えない。
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プロフィール

みーや

Author:みーや
主に時代物、時代官能系を描くイラストレーター。
ペンネームは「とやまみーや」

仕事の様子など、普通に日常の日記や漫画。
A型なんだけれど生き様はほぼアバウトなのだ。
なので日記の更新も、アバウト……。

三浦誠衛流居合道3段
江戸検定2級

日本文芸家クラブ理事
日本出版美術家連盟会員
日本漫画家協会会員
歴史時代作家クラブ会友

とやまみーやのホームページはコチラ
(リンクからもどうぞ!最近更新してないですけど・汗)
http://omiyaepiqri.web.fc2.com/

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